今月の逸品
ただいま展示中の「今月の逸品」
川の流れとともに
やがて全てが一つに溶け合い、
一本の川がその中を流れる。
-ノーマン・マクリーン 「マクリーンの川」ー
(写真をクリックすると拡大してご覧いただけます。)
縄文土器 深鉢
縄文時代中期初頭(約5,000年前)
前田耕地遺跡(あきる野市野辺・小川)
縄文時代草創期の遺跡として著名な前田耕地遺跡だが、実は縄文時代前~後期や弥生時代、平安時代の遺構・遺物も見つかっている。今回は縄文時代中期初頭の土器を展示した。
平井川と秋川に挟まれたこの地は草創期には川原のような場所だったことがわかっている。この土器の残された頃には離水して川より少し高くなっていたようだが、現代のような治水技術のない時代のこと、地層を見ても、まだまだ降雨の際には大水に浸かった痕跡が認められる。しかし、縄文・弥生・平安と、人々はそんな場所を選んで暮らしてきた。過去の人々にとって、川は災いである以上に、飲み水をもたらし、後の時代には作物を潤してくれる恵みでもあった。現在の我々が想像できないほど人と川の距離は近かったのだ。
尖頭器の時代から15,000年、この土器の時代から5,000年たった今も、人はこの地に暮らし、川は変わらずその姿を見つめている。今から5,000年後、15,000年後、川はどのような風景の中を流れているだろうか?









