今月の逸品

ただいま展示中の「今月の逸品」

丘の土器に海の文様

「道具とは、魂の延長である」

―オーギュスト・ロダンー

小山田遺跡群打越式復元個体01灰バック.jpg

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縄文土器 深鉢

縄文時代早期末(約7,000年前)

小山田遺跡群No.28地点(町田市下小山田町)

縄文土器の文様は時期や地域によって多種多様で、文様を施す道具もまた様々である。縄文時代の早期後半から終わり頃、関東南部の土器には貝殻を用いた文様が盛行する。展示の土器にも海に棲むアカガイ属の貝殻を用いて条痕文と連なり山形文が施されている。

道具の調達の容易な海岸沿いに分布するかと思いきや、内陸の台地や丘陵地でも出土しており、本品の出土地も海から遠く離れた町田市内の丘の上である。わざわざ海まで出向いたのか。それとも、海辺の土器がはるばる内陸まで運ばれたのか、あるいは貝が人手を渡っていたのか...。

いずれにしても、この土器から、文様やその文様を施す道具に対する縄文人の強いこだわりを感じてしまうのだ。

次回の更新予定
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