今月の逸品
過去に展示した今月の逸品
思念の滴
銀の滴降る降るまわりに
金の滴降る降るまわりに
知里幸恵編『アイヌ神謡集』より
ミニチュア土器各種
縄文時代中期(約5,000年前)
多摩ニュータウンNo.72遺跡(八王子市堀ノ内)
ミニチュア土器といっても多種多様である。
通有の土器をリアルに模したもの。
有孔鍔付土器のミニチュアにはきちんと孔を穿っているし、浅鉢にはなんと補修孔と思しきものまで再現されている。
石鏃を模したものまである。
そうかと思えば、双口土器のように、この遺跡では祖型が出土していないものもある。
非常に精巧に作られた中央の例などは一体何を模したのか。
それとも、ミニチュア独自の形態?
未だ多くの謎に包まれたミニチュア達を並べてみると、縄文人の様々な思念がきらきらと零れ落ちた滴のようにも見える。
次回の更新予定
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